自邸を建てて6年経過。植栽は大きく育ち、建物もかなり雰囲気が変わってきています。
外装はコンクリート打放しとレンガを組み合わせています。玄関の門には杉の柱を積み上げたものを外部にむき出しで使用しています。
コンクリート打放しやレンガは、6年の汚れを加え味わい深くなってきました。
木材は表面の塗装がはがれ、落ち着いた銀色になりつつあります。
竣工時はこんな感じ
6年経過したコンクリート打放・レンガ・木材
外装に使っているコンクリート打放し、レンガ、木材は6年経ち見た目が変化してきています。
6年後のコンクリート打放し
コンクリート打放しは、設計から施工まですべてにおいて気が抜けるところがなく非常に苦労したところでしたが、なんとか密実で美しいコンクリート打放しが実現しました。
表面の保護剤は、コンクリート打放しの素材感を損なわないランデックスコート(大日技研工業さんのWS疎水材)を採用しています。
6年経過後も漏水することなく、雨染みが残ることもありません。
雨垂れの汚れが目立つこともありません。汚れを付けて少し味わい深くなってきました。
レンガの表情
レンガは国代耐火工業所製のものを採用しました。
このレンガは実は自邸の為に焼いたものではなく、国代耐火工業所で以前焼いたもので某有名設計者の物件で使う予定だったものが倉庫に大量に余っているとの情報をいただき、安く提供していただくことが出来ました。
レンガやタイルは、建築材料の中で少し高価な部類にはいりますが、そんなアウトレット材をうまく組み合わせることも有効だと思います。
レンガやタイルは言うまでもなく、焼き物ですので朽ちることはありません。
歴史をさかのぼれば紀元前5,000年頃から使われていたと考えられいます。
レンガやタイルは時間が経つにつれ汚れを加えて美しくなっていきます。
6年間、外部の環境にさらした木材
コンクリートやレンガに比べて、外部の環境に強くない木材。
やはり6年経過するとかなり様子が変わってきます。
木材は外部で使う場合、雨や紫外線に当たらないように軒下でつかうのがセオリーですが、自邸なので実験的に完全に屋外の雨ざらしになるところで使ってみました。
木材は板張りで仕上げとして使うことが多くありますが、外部に雨ざらしになることを考えて柱や梁でつかう100角材のかなり厚みのある木材を積み上げて使用しました。こうすることで、表面が多少朽ちてきても内部まで朽ちるまでかなりの時間がかかると踏んでいます。
また、土に直接触れないように、また雨ざらしですが換気のよい環境とすることで朽ちる時間を長引かせています。
6年経過した現在は、竣工当時に比べて表面の見た目は銀色に変色し、今のところ味わい深く竣工時より美しく感じます。
経年変化を楽しむデザイン
新築時の状態から、経年により建物は徐々に変化していきます。
経年による変化に耐えうる材の選定とディテール、定期的に診てあげる愛情によって建物は時間の汚れを加えて更に美しく味わい深くなるものだと思います。
コメント