建築家が好む住宅デザインは実は経済的

建築家が設計した住宅デザインと、建築家が好む住宅デザインは必ずしも一致しません。

建築家が設計した住宅の中には、ハウスメーカーで建てたようなものもあります。

建築家が好む住宅デザインは、その状況に最も相応しいストーリーで構えている建築です。それは見た目の斬新さや美しさだけではではないということです。

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ここで言う建築家とは

安藤忠雄の建築(pinterest)

建築家とは、デザイナーとして有名な安藤忠雄や隈研吾のような大物だけを示すのではなく、実直に機能的で安全で美しい建築を造ろうとする設計者を示します。

派手なデザイン性を求める施主や、それを作品として残しておきたい建築家も世の中には一部に存在しますが、これは例外として扱うこととします。

そもそもデザインとは、見た目の斬新さや美しさだけを表すのではなく、建築に求められる環境や条件、その状況に最も相応しい答えを導き出すことです。

住宅であれば、その敷地の特徴や歴史、その地の気候や風土などを読み取り、そこで豊かに暮らすための住環境をどのように建築として馴染ませるかをデザインします。

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住まい手の状況や、条件も様々で、その状況に最も相応しい答えを導くには圧倒的な知識と経験が必要となります。

大手ハウスメーカーのような大企業であれば、積み重ねられた実績や研究により組織としての圧倒的な情報が集められますが、一個人の建築家は簡単にそれら情報量を得ることができない状況です。

そんな中でも、機能的で安全で美しい建物を実直に生み出している一個人の建築家が各地に存在します。

自邸の設計

これは、生まれ持ったセンスだけではなく、幼少期からの経験と勉強量が抜きんでていることが多くあります。

建築家で生計を立てている多くが高学歴であることや、幼少期から特別に努力家であることが多く見受けられます

建築家が好むデザインは、理にかなった総合的なデザイン

建築家の多くは人一倍努力家で勉強家が多く見られます。また、建築は芸術的観点からの豊かさも求められることがあり、建築家はアートの世界にも精通しています。

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科学的、工学的知見による計算された美しさに加え、芸術的観点からの豊かさをいかにして予算内で成立させるか。それら全ての条件をクリアして建てられた建築は、理にかなったデザインとなっています。

建築家は、努力家・勉強家であるがゆえに、科学的・工学的に加え芸術性と経済性を備えた総合的な美しさを纏ったデザインを好む傾向があります。

勉強ばかりしているので、言葉は自然と難しくなりますが、一流の建築家になると、話す対象が専門家であるか否かによって、言葉を使い分け一般的な言葉へ翻訳して説明することも上手くなります。

安藤忠雄

建築家が好むデザインは、わくわくするデザイン

知的で芸術的なところがある建築家ではありますが、常に面白い建築のことを考えている建築家が多くいます。

建築家はヒトを楽しませたい、ヒトを驚かせたいという思いが強いところがあるため、総合的な効率化だけを求めるのではなく、それら経済性等を成立した上で、住まい手がどのようにその地を感じられるか、どんな喜びや驚きが感じられるかを建築に落とし込みます。

そんなわくわくするようなデザインを建築家は好む傾向があります。

安藤忠雄

不器用で下手な建築家が多い

知的で芸術性も持ち合わせる建築家ですが、商売に関しては不器用で下手なイメージがあります。

一部の建築家は、建築だけに限らず不動産やITにも積極的に投資しうまく建築の職能を活かした商売をしている建築家もいますが、多くの建築家はお金がなくとも美しい建築をつくるという美学を持っています。

建築家が好む住宅デザインは実は経済的

実務として活躍している経験豊富な建築家は、様々な観点から建築を組み上げていきますが、やはりコストの壁にいつも悩まされています。

その地にとって、その住まい手にとって、最も相応しい豊かな空間を生み出すことを目指していくと、必ずコストが大きな壁として立ちはだかりますが、その壁を沢山乗り越えてきた建築家が思うことは、経済性を上手くデザインに組み入れているかです。

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建築家は、科学的、工学的、芸術的な観点で総合的に建築を考えますが、やはり経済的に上手く成立しているデザインに興味をもつことが多いかもしれません。

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この記事を書いた人

・一級建築士
・インテリアプランナー
幼少期から大学までは和歌山の実家で田舎暮らし。
大手ハウスメーカーで累計約40棟の住宅を技術営業として担当。
その後、組織設計事務所に転職し、学校・庁舎・道の駅・公民館・発電所等の主に公共建築物の設計に携わる。
現在は組織設計事務所に所属し、日々建築設計業務に取り組む傍ら、建築系webライターとして建築に関わるマニアックな情報から住宅購入に関わる内容まで幅広く発信している。
和歌山から、大阪、東京と住まいを移し、また和歌山戻り、田舎に自邸を建てる。

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