住宅購入するのは、やっぱり大手ハウスメーカーが安心!
でも、デザインは設計事務所がいい!
住宅購入時の状況や、決め手のなるものは人それぞれで、一概にどこがいいと言うものではありません。
ハウスメーカーはハウスメーカーが安心でいいと言いますし、設計事務所はハウスメーカーで建てると割高だと言います。
どちらの言い分も間違っていませんが、何を重視して住宅を購入するのかでハウスメーカー、設計事務所、工務店を決めればよいと思います。
ハウスメーカーのメリットデメリット
ハウスメーカーの特徴として、規格型のイメージがあるかもしれませんが、間取りはある程度自由に決めることができます。また、内装のクロスや、照明、カーテン等もある程度自由に選ぶことができます。
ただし、カタログに記載されている中からの選択で、それはあくまでもメーカーが決めたカタログの中からの選択で建物が作られていきます。
建物の構造体も選択肢は限られています。
日本の大手住宅メーカーとして、積水ハウス、大和ハウス、住友林業、セキスイハイムがありますが、全て鉄骨造もしくは、木造で外壁は窯業系サイディングが殆どです。
それらの選択肢を限定することで、建築的なコストパフォーマンスを最大限に高め、建築以外に必要となる施主をエスコートとする経費やアフターフォローを万全なものとしています。
コスト的メリットデメリット
分かりやすいのは、車をオーダーメイドするイメージです。
トヨタ、日産、ホンダのどれにしようか=積水、大和、住友林業のどれにしようか
トヨタの中でもノーマルのオプションを付けないプリウスはコストパフォーマンスが高いですが、GT-Rを自分好みにカスタマイズするとデザイン性や快適性が非常に高くなりますがコストパフォーマンスは下がります。
ハウスメーカーも同様に、カスタマイズをほとんどしない大量生産される規格型のものを選択するとコストパフォーマンスは高くなりますが、自分好みにカスタマイズしていくとコストパフォーマンスは下がります。
時間的メリットデメリット
ハウスメーカーの場合、営業、設計、インテリアコーディネーター、ファイナンシャルプランナー、工場担当、アフターフォロー担当と全て専門のスタッフが対応致します。
ほとんど家のことについて勉強せずとも家作りをエスコートしてくれます。
また、クロスやフローリング、キッチンやトイレ等の決めごとの選択肢が限られていることで、考える時間が少なくて済みます。
施主の考える時間が短いだけでなく、設計にも大きな時間的メリットがあります。選択肢が広いといえど、決まった中でのチョイスとなりますので、あらかじめ決められた設計図をパズルのように組み上げていく作業となり、一から線を書く設計図に比べ遥かに早く設計が完了します。
また、建築期間についても、在来の建築工法に比べ工場で組み上げる工程が多く、現場での施工期間が圧倒的に少なくて済みます。
建築相談から設計、施工まで全ての工程で時間を短縮することが可能です。
設計事務所や工務店と一から作り上げていく家づくりの工程は、設計に半年から1年、施工に半年から1年の合計1年から2年程度必要です。
ハウスメーカーの場合は、その半分程度で建築可能です。
アフターフォローのメリットデメリット
大手ハウスメーカーの場合、アフターメンテナンスは専門部署があり、住まい後の対応も申し分なしです。
また、メーカーの決められた中での建築材料、住宅設備が採用されていますので、経年劣化による材の交換等となっても、対応商品をあらかじめ用意されていています。
ほとんどの住宅メーカーは、住まい後のつながりも大切にしていて、定期に展示場へのイベントに無料で参加出来る仕組みもあります。
ハウスメーカーに関するアフターフォローのデメリットは、あまり思いつきませんが定期に営業が来ることぐらいかと思います。
設計事務所のメリットデメリット
コスト的メリット、デメリット
設計事務所で作る完全オーダーの注文住宅は、コスト的に高くなると思われますが、一概に言えません。
もちろん、こだわりを詰め込んだ住宅は割高になる傾向ですが、割り切った考え方をすることで、コストを抑えつつ、こだわりを持った住宅を実現することも可能です。
大手ハウスメーカーの住宅は、最近特に耐震性や省エネ性を非常に重視する傾向です。
その土地の地盤の状況や、地域の地震による被害状況は、その場その場で変わってきます。
例えば、静岡県等の比較的地震が起こりやすい地域で、公共建築物を建てる際は、通常の建物の1.5倍の強さで構造計算を行って計画致します。
また、地域によって温暖地や寒冷地があり、公共建築物では、それぞれ地域に合わせて断熱性や気密性等を慎重に計画し、過度な設計とならないよう計画しています。
公共建築物の場合、多額の税金が投入されますので、それらの性能を慎重に検討し必要な性能を確保するよう計画されます。
かたや、ハウスメーカーの建物は、地域や環境にかかわらず耐震性能上、問題のない建物を建てます。
また、ハウスメーカーの建物は、断熱性や気密性が高く、エアコン一台で住宅丸ごと温めたり、冷やしたりすることが可能となっています。それは、全国どこで建てても同じ性能の建物が出来ます。
設計事務所の作る完全オーダーの注文住宅の場合は、公共建築物同様に、それらも自由に設定できます。お金をかける所を住まい手自身で設定できるところが、大きなメリットです。
ただし、それらの耐震性や断熱性については、建物の非常に重要な性能となりますので、難しい技術的判断が必要となります。信頼のおける設計者と出会いが必須となります。
それら技術的判断の上、自身の納得のいく範囲で耐震性や断熱性等の性能を設定し、ローコスト住宅を実現することも可能です。
コスト的デメリットとしては、一品生産ものであるが故に、建築材料や住設備が割高になりやすいところです。
キッチンやお風呂等の住宅設備や、収納棚や洗面台等の既製品については、ハウスメーカー等の大量に購入されている所であれば、比較的安く仕入れていますが、一品生産物の建築の中にそれを入れると高くなる傾向です。これは大量に仕入れているか、そうでないかの違いが出てきます。
時間的メリット、デメリット
建売住宅は、購入すればすぐに住むことが出来ます。また、ハウスメーカーの住宅についても工場で作られる割合が多いため、在来工法に比べ早く建設されます。
設計事務所で一から作り上げる注文住宅の場合は、設計段階も住まい手自身が納得できなければ、時間をかけることができます。時間を気にせず進めることが出来ることが時間的最大のメリットです。
逆に、考えすぎて何時まで経っても決めきれない場合は、いくらでも遅くなってしまうところが時間的デメリットです。設計事務所は時間が経費となりますので、時間がかかればかかるほど、経費もかかります。
建てる時期によって、ローン金利や補助金等の内容も変わりますので、時間を自由にコントロールできる注文住宅ですが、それらの経費も考慮し慎重に決める必要があります。
建設時も、一品生産物ですので比較的建設工期は長くなります。
アフターフォローのメリット、デメリット
住宅購入で重要視するべきアフターフォローですが、大手ハウスメーカーであれば任せっきりで問題ありませんが、注文住宅の場合は、その設計事務者の担当や工務店の担当による所が大きいです。
また、大手ハスメーカーは倒産することはまず考えにくいですが、設計者事務所や工務店はいつ倒産するか分かりません。
大手ハウスメーカーの場合、初期投資が割高ですが、これらを安心して任せられるのは、大手ハウスメーカー以外は難しいと思われます。
住宅は、何十年もメンテナンスしていきながら、一生付き合っていくものです。
注文住宅の場合は、メンテナンスが必要な部分を設計者と一緒に勉強することが重要で、どの部位がどの程度でメンテナンスが必要で、どのようにメンテナンスしていけば良いかを理解していけば、設計者や工務店が倒産しても、自身で対応することが可能です。それらを勉強する時間、労力が必要となりますが、それだけ愛着がわいてきます。
アフターフォローを楽に任せておくことが出来ないのがデメリットですが、自身で勉強し、愛着をもってメンテナンスして建物を熟成させていくことが出来るのが注文住宅のアフターフォロー面での最大のメリットともなります。
まとめ
ハウスメーカー、設計事務所での家づくりに優劣はありません。どちらも一長一短です。
全て万全な体制で安心の家作りをするのか、時間と労力をかけじっくり勉強して一から家を作って行くのか。。。これは建てる人によります。
次回以降、ハウスメーカーと設計事務所のデザイン性についても今後解説していきたいと思います。
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