ディズニーランドはなぜあんなに非日常的な空間として感じられるのか

ディズニーランド
ディズニーランドの非日常感の訳

ディズニーランドは、徹底されてデザインされ非日常感の空間を作り出していることは、すでに知れ渡っていることだと思います。

館内のどこに立って見渡しても、ビルや電信柱などの現実的なものが見えないよう、植栽の配置、高さ、密度のデザインにより完璧に隠されています。

それだけではない建築の高度な技術力が随所に施され、非日常的な美しい空間がつくられています。

目次

植栽の計算し尽くされた配置

まったく、ビルが見えない。どこに居てもビルが見えないよう植栽の配置や館内の建物の配置がデザインされています。

特に植栽は、常に成長し季節によって状態が変化するものですが、その変化も計算に入れデザインされています。

しかも、高さのある植栽だけでデザインすると圧迫案があり、館内の見渡しも悪くなります。

来場者の動線と、植栽帯配置をうまくコントロールすることで、低木やグランドカバーを組み合わせて圧迫感を軽減するだけでなく館内の見渡しもよくしています。

さらに、季節によって色付く植栽の配置や、冬季でも緑が美しい樹種を選定し、一年中植栽が活き活きとしています。

雨水の導きかたが秀逸

屋外の人の歩行が考えられる部分には、床面には必ず必要なものがあります。

それは、雨水を排水するための側溝です。ディズニーランドの床面には側溝のようなものが見当たりません

これがなぜか美しく感じされるところ術です。

では、技術的にどう解決しているか。

それは、側溝を設けずに、床面を少しずつ傾けて、その勾配だけで雨水をある個所を導き集水しています。

その傾きも、人の三半規管では気付かない程度の傾きで、かつ、水溜まりにならないギリギリの傾きで計算されています。

雨水の導かれ集水される先は、こんな感じで部分的にスリットとなっています。

また、メンテナンスもしやすいように取り外しが出来るディテールになっています。

単に美しい空間を作るだけでなく、雨の日にも水たまりが出来ず、将来にわたりメンテナンスもし易い配慮がなされています

消火設備の配置にも工夫

日本では建築物には、火災時に安全に避難や消防活動が行えるよう、建築基準法や消防法の規定がかけられて設計されています。

具体的には、火災を素早く感知し利用者に知らせるための「自動火災報知機」、火災時の初期消火をする為の消化器や消火栓、火災時に煙に巻き込まれても素早く避難できるように誘導する「誘導灯」など、建築物には、それらの消防設備が法的に必要と定められています。

ディズニーランドの建物も例外ではなく、それらは安全上設置されています。

ただし、それらは人の目線から完全に消えて、感じられないと思います。

忍者屋敷ではないですが、火災時になると天井からそれらの消火設備が下りてくるよう仕組まれています

(いい写真がとれてないのが残念ですが、館内の建物の天井をみると、それらが隠されているのが分かります)

ちなみに法的に必要とされる自動火災報知機や消火栓、誘導灯のイメージは下記です。

大地震が来ても割れない、沈まない地盤面

建築物には、建物の荷重や必要とされる耐震性に応じて基礎の設計を行います。

それは法的にも求められていることで、弱い地盤面であれば、杭を打つこともや、地盤を強いものに変える地盤改良を施すことになります。

ただし、外構部分の建物が建たない部分に関しては、法的な規定はなく一般的には地盤面は補強されずに、コンクリートやアスファルトの舗装が敷かれることになります。

よって、大地震が来た時に建物には影響がなくても、道路が陥没したり、大きくひび割れることになります。

ディズニーランドでは、建物だけでなく敷地全体を地盤改良し補強しています。しかも、元々海だった場所ですので、かなり深くまで地盤を改良していることになります。

3.11の東日本大震災の時にも、ディズニーランドは震度6程度の大地震に見舞われましたが、建物だけでなく、敷地の床面にも被害はなく、すぐに営業が再開可能となりました。

ディズニーランドは非日常的な空間を作り上げるだけでなく、本当の美しさを追求した形

ディズニーランドは見た目の美しさだけでなく、技術的な解決により、将来のメンテナンス性にも配慮し、雨天時や非常時にも安全に利用できるようデザインされた施設です。

ディズニーランドに行くまでは、遊園地のイメージがハリボテ建築(構造体とは別に、化粧により作られる見た目だけのデザイン)であまりいい印象ではなかったのですが、、、

いざ行ってみると建築的な工夫が満載で、遊戯施設以外にも使える考え方もあり、非常に勉強にもなる施設です。

ディズニーランド

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この記事を書いた人

・一級建築士
・インテリアプランナー
幼少期から大学までは和歌山の実家で田舎暮らし。
大手ハウスメーカーで累計約40棟の住宅を技術営業として担当。
その後、組織設計事務所に転職し、学校・庁舎・道の駅・公民館・発電所等の主に公共建築物の設計に携わる。
現在は組織設計事務所に所属し、日々建築設計業務に取り組む傍ら、建築系webライターとして建築に関わるマニアックな情報から住宅購入に関わる内容まで幅広く発信している。
和歌山から、大阪、東京と住まいを移し、また和歌山戻り、田舎に自邸を建てる。

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