平屋の魅力、メリットデメリット

自邸1

都心部ではなかなか実現が難しい平屋ですが、昨今の働き改革、テレワークの導入、フリーランスへの転身等により、必ずしも都心部で居る必要もなくなりつつあり、郊外や田舎へ住居を移して新しい働き方をするようになり、ゆったりした敷地へ平屋を建築することに注目があつまりつつあります。

平屋は、何と言ってもプロポーションが美しい所が魅力的です。他にも魅力的なところは沢山ありますが、敷地面積も広く必要、坪単価も割高などハードルが高そうなイメージがあると思います。

そんな平屋について、なぜ魅力的なのか、メリットとデメリットについて解説します。

目次

平屋の魅力

平屋は建物のプロポーションが美しくなります。

住宅の場合、一般的には30坪から40坪程度(90㎡から120㎡程度)の広さとなります。

それは、お風呂、洗面、キッチン、トイレの必要な水周りの面積に加え、リビングダイニングと寝室、子供室を確保すると凡そそれぐらいの面積になってきます。

この30坪程の面積を2階に積み上げると15坪×2層となりますので、建物間口は6m~7m程度となり、高さ方向にも、凡そ6m~7m程度で、正面からみると凡そ正方形に近しいプロポーションとなります。

方や平屋の場合は、間口が広く、高さが低く抑えられますので、横方向に長いプロポーションとなります。

この横方向に長いプロポーションは、重心が低く抑えられ落ち着いた印象を与えます。

また水平ラインが強調されますので、横方向へ広がりが感じられ、おおらかなイメージとなります。

窓の高さや、バルコニー手摺、庇の高さ等、すべてシンプルに構成出来るため、デザイン要素が統一されやすく、まとまった外観となります。

平屋のメリット、デメリット

魅力的な平屋ですが、いい所もあれば残念な所もありますので、それぞれ具体的に見ていきたいとおもいます。

平屋のメリット

平屋のメリットは以下の6点です。

1、プロポーションが美しい

2、バリアフリーである

3、メンテナンスが容易

4、床面積を抑えることが出来る

5、耐震性が高い

6、避難安全性が高い

それではそれぞれ詳しく見ていきましょう

プロポーションが美しい

上でも挙げたように、とにかくデザイン要素が少なくなり、美しくまとまりやすいのが平屋です。

重心が低く落ちつた佇まいで、おおらかなイメージとなります。

バリアフリーである

子供が小さい頃の若い間は、2階や3階への階段移動はまったく苦にならないと思いますが、子供が出ていった後の老後の体には階段移動の負担が大きく、2階や3階部分の部屋は殆ど使われなくなります。

平屋の場合は、子供が出ていった後の老後に、平面的な余裕が出てきますので、トイレやお風呂等の水周りを広く確保することで、車椅子対応や、介護への負担軽減の為のバリアフリー改修が容易にすることが可能となります。

メンテナンスが容易

将来のメンテナンスについても平屋は有効となります。
建物のメンテナンス費用の中でも高額な外装のメンテナンスですが、一般的な2階建ての建物の場合は、建物周囲に全面足場を設置して、塗装や防水を行います。

一方、平屋の場合は建物高さが低く抑えられている為、脚立でメンテナンスが可能となりますので、メンテナンス時の足場費用を大きく削減することが可能となります。

また、建物は人間と同じように、定期的に点検することで、早期に悪い箇所を発見し早期に対策することで、後々のメンテナンス費用を抑えることに繋がります。

平屋の場合は、外装面はほとんど目の届く範囲となり、早期の発見につながります。

床面積を抑えることが出来る

平屋は、上下階への移動空間が不要となり階段部分の面積をなくす事が可能です。

また、玄関、廊下、階段をなくし、リビングを中心とし、外部から直接→リビング、リビングから直接→洗面お風呂、リビングから直接→寝室、リビングから直接→子供室など、移動部分の床面積を削減するだけでなく、動線の効率化も図ることが出来ます。

耐震性が高い

平屋にすることで、建物重心が低く抑えられます。

地震時は、縦方向と横方向へ建物が揺らされることになりますが、建物が揺らされると、重心が低い方が安定し、揺れにくくなります。

揺れにくい=建物が破損しにくい=耐震性が高いとなります。

同じ柱の太さであれば、建物重心が低い方が耐震安全性は高くなります。

赤ちゃんや幼児のころは、体が小さく、頭が大きいために、バランスを崩しやすいですよね。

それと同じで、やはり重心は低くしたほうが、バランスを取りやすいのはイメージできるかと思います。

なので、屋根は出来る限り軽い方が、耐震安全性面は高いと言えます。

避難安全性が高い

火災等の有事の際に、建物から外部へ避難するのは、平屋が有利となります。

建築基準法では、避難階とそれ以外の階で、規定が変わってくるような法律となっています。

避難階とは、すぐに地上へ避難出来る階を指示しています。

すなわち、平屋はすべて避難階と解釈でき、法律上も安全とされています。

火災時に、階段を使用して避難する必要がなく、すぐに外に出ることが出来るので、2階建てや3階建てに比べて避難しやすく、安全であるのは容易にイメージがつくかと思いますが、法律上もそれを証明しています。

平屋のデメリット

平屋のデメリットは以下の5点です。

1、敷地面積が広く必要

2、坪単価が割高となる

3、水害に弱い

4、防犯面

5、採光、通風面

1、敷地面積が広く必要

都心部ではなかなか難しいところですね。

やはり、ファミリー向けの間取りを平屋で確保するには、有効30坪以上の敷地面積が必要となります。

有効30坪とは、例えば敷地面積が60坪であれば、建蔽率が50%の敷地を示します。

敷地には、敷地面積に対して建物を建てていい範囲を建築基準法で定める建蔽率や、当該敷地の県や市が定める条例により、街の景観や安全性を考慮した境界線からのセットバックの規定があります。

それらを加味した上で、建物が配置できる有効な面積が30坪以上が必要となります。

ただし、子供の予定がなく、最低限のワンルーム的な間取りが希望であれば、30坪以内に抑えることも十分可能です。

2、坪単価が割高となる

建築コストの中でも、高い割合を占める屋根工事と基礎工事ですが、床面積に対して、階数が多ければ多いほど、坪単価に占める割合が薄まりますので、上階へ建物を積み上げるほど、坪単価は安くなる傾向があります。

平屋の場合は、床面積=屋根面積=基礎面積となりますので、坪単価は2階建てや3階建てに比べて高くなります。

あくまでも「坪単価」が高くなるだけで、建築総費用とは異なりますので、それはまた別の機会で解説したいと思います。

3、水害によわい

地域のハザードマップを確認し、有事の時は1階が浸かるような地域であれば、家全体がつかることになります。

平屋にかかわらず、有事に時にどの程度まで地域が浸水するのかをハザードマップで確認した上で、建物の計画をする必要があります。

4、防犯面

2階建て、3階建てであれば、1階から侵入されても2階、3階まで階段で上がってくることは確率的には低くなります。

平屋は侵入されればすべての部屋へ侵入される確率は高くなりますので、防犯面ではやや劣ることになります。

5、採光、通風面

限られた敷地の中で、平屋を計画すると敷地に対してめいいっぱい建ててしまうと、隣地からの距離が確保されず、採光や通風が不利となる場合があります。

また、平屋は各諸室をすべて同一階で確保する必要がありますので、外部に面しない部屋がプランされる場合があります。

ただし、平屋は最上階でもありますので、トップライトやハイサイドライトも計画しやすい構造となっていますので、採光や通風が確保しずらい場合は、それらの手法により解決することも可能となります。

まとめ

デメリットを十分に理解すれば、魅力が満載な平屋です。

働き方が自由になってきていることと、都心にいなくても仕事が出来る環境になってきつつある現在では、郊外の広い敷地でゆったりと平屋を楽しむことも現実的となってきているのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

・一級建築士
・インテリアプランナー
幼少期から大学までは和歌山の実家で田舎暮らし。
大手ハウスメーカーで累計約40棟の住宅を技術営業として担当。
その後、組織設計事務所に転職し、学校・庁舎・道の駅・公民館・発電所等の主に公共建築物の設計に携わる。
現在は組織設計事務所に所属し、日々建築設計業務に取り組む傍ら、建築系webライターとして建築に関わるマニアックな情報から住宅購入に関わる内容まで幅広く発信している。
和歌山から、大阪、東京と住まいを移し、また和歌山戻り、田舎に自邸を建てる。

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