植栽をより美しく魅せる艶やかなインテリア

インテリアを一段と美しく彩る植栽や観葉植物は、空気清浄効果や癒しの効果もあり、最近特に取り入れられている事例を多く見ます。

一般的なマンションや建売住宅などであっても、植栽を上手く配置することで見た目の印象は大きく変わります。

クロスやペンキ塗りなどにより、白で囲われたインテリアにも、もちろん植栽は映えるものですが、より美しく艶やかに魅せる建築仕上げがあります。

それは、自然界からヒントを得た建築仕上げを取り入れることで、植栽がより美しく感じられ、更にその空間自体の質が一段と醸成され、品のある空間に生まれ変わります。

自然界からヒントを得た建築仕上げを使った例pinterest
目次

自然界からヒントを得た植栽を美しく彩るインテリア

植栽や観葉植物は、そもそも自然界のものです。インテリアも自然界のものからヒントを得たもので組み合わせることで、より自然に近づきヒトの感性に響くものとなります。

また、日本人は侘び寂の感性を持っています。

単に新しく美しいものよりも、時間を経て醸成された寂びた味わいのあるものに美しさを感じるところがあります。

植栽も同じく、時間を経て変化し、より美しくなり、最後は枯れていくものですが、その過程を日本人は美しいと感じられる人種です。

時間を経て醸成される建築仕上げと植栽pinterest

自然界のものは、時間による変化を受け入れ、それが表情となります。

建築のインテリアに使われる素材にも、そんな自然の表情を持ったものを取り入れると、より植栽の美しさを感じられます

自然界からヒントを得たコンクリート打放しの無垢の表情

打放しと植栽pinterest

最近では一般的になりつつあるコンクリート打放しの仕上げですが、植栽との相性も非常によく空間をしっとりと艶やかな品のある空間となります。

コンクリート打放しは、自然界のものとはかけ離れた人工的なイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。

今や、建築材料は工場でロボットが大量生産したものを現場で組み上げるシステムが一般的となりつつあり、現場の素材や、現場の職人が使われなくなりつつあります。

そんな中でも、コンクリート打放しは、その場所の素材を使い、その地の職人により造られる非常に手造り感のある素材で、出来上がった表情は、ヒトの意図が介入しない表情になります。また、コンクリートは造られたその時の気温や湿度、天候にまでも仕上がりの状態に影響を与えるものです。そんな、自然界の条件を受けいれて造られるコンクリートの表情は、自然界の表情に近いものがあります。

pinterest

コンクリート打放しは、クロスやペンキなどの表面的な化粧ではなく、構造躯体としての役割もあり、長期にわたり建築を支えていくものです。リノベーションなどにより昔に造られたコンクリートの表情をむき出しにされる場合がありますが、それは時を経てより醸成されたしっとりとした雰囲気を感じます。

長い年月を経たしっとりとしたコンクリートには、植物の瑞々しさを惹きたてる魅力が感じられます。

リノベーションにより荒々しいコンクリートが表れた例pinterest

なので、マンションをリノベーションする際は、躯体がコンクリートであれば、わざわざクロスで化粧をするのではなく、長い年月を経た荒々しいコンクリートを無垢のままインテリアにすることも選択肢の一つだと思います。

レンガやタイルなどの土の表情を映し出すインテリア仕上げ

自然界の土で造られるレンガやタイルは、素材の温かい雰囲気が植物のグリーンがより映える感じがします。

レンガと植栽の組み合わせ例pinterest

特に土の赤茶系の色彩は、緑と補色の関係性にあることで、白やグレーの壁面に比べてより緑を鮮明に魅せる効果もあります。

赤と緑の補色の関係性

土の表情を映し出すレンガやタイルの内装は、コンクリートと同様に長い年月を経てより魅力が増す素材で、植物と合わせることで醸成されたしっとりとした空間をつくることができます。

タイルと植栽の組み合わせpinterest

コンクリートやレンガ、タイルに共通して感じるのは、やはりクロスやペンキにはない強い素材感です。

クロスに囲まれた空間でも十分に植物は彩りを与えますが、内装材にコンクリートやタイル・レンガなどの素材感がある空間ではより深みのある醸成された雰囲気が感じられます。

クロス壁でも植栽を艶やかに魅せる方法

コンクリートやレンガなどの素材感のあるインテリアは植栽をより艶やかに魅せてくれますが、クロスのインテリアでも植栽を美しく艶やかに魅せる方法があります。

それは、『植栽で埋め尽くす』です。

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量は質を超える場合があります。また、量で質を造る場合があります。インテリアも同様に、植栽が多ければ艶やかな質をつくり上げることが出来ます。

ただし、本当の植栽を大量に室内に持ち込むと管理の面が大変なので、フェイクグリーンやドライフラワー、ハンキングを組み合わせることで、植栽の管理を少しでも緩和することで、量を増やすことは可能です。

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この記事を書いた人

・一級建築士
・インテリアプランナー
幼少期から大学までは和歌山の実家で田舎暮らし。
大手ハウスメーカーで累計約40棟の住宅を技術営業として担当。
その後、組織設計事務所に転職し、学校・庁舎・道の駅・公民館・発電所等の主に公共建築物の設計に携わる。
現在は組織設計事務所に所属し、日々建築設計業務に取り組む傍ら、建築系webライターとして建築に関わるマニアックな情報から住宅購入に関わる内容まで幅広く発信している。
和歌山から、大阪、東京と住まいを移し、また和歌山戻り、田舎に自邸を建てる。

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